会長挨拶

 


第51回日本嫌気性菌感染症学会

会長 平松和史

(大分大学医学部医療安全管理医学講座)


嫌気性菌感染症を見つめ直そう


 第51回日本嫌気性菌感染症学会を大分市において開催させて頂くことを、大変光栄に存じますとともに、会員の皆様に厚くお礼申し上げます。大分市での本学会の開催は第29回研究会(会長:那須 勝 大分大学名誉教授)、第42回研究会(会長:門田淳一 大分大学名誉教授)以来、10年ぶりとなります。今回は第51回であり、半世紀を過ぎた最初の1年目ということで初心に立ち返るという意味を込めて、「嫌気性菌感染症を見つめ直そう」というテーマといたしました。大分市には高崎山自然動物園という野生の猿が群生し、餌付けされている観光地があります。本学会のポスターはその猿の親子が一点を見つめている写真を使用し、「嫌気性菌感染症を見つめ直そう」ということを意図したものとしました。

 ボツリヌス症や破傷風、ガス壊疽など古典的な嫌気性菌感染症や誤嚥性肺炎、C. difficile感染症といった近年臨床上注目度の高い感染症まで、嫌気性菌感染症に関してその病態や診断、治療法などの解明はまだ十分であるとは言えません。本学会では特別講演として、金沢大学の藤永由佳子先生に「ボツリヌス菌感染症の新知見」と題してご講演いただき、シンポジウムではC. difficile感染症を取り上げました。その他教育セミナーやランチョンセミナーも企画しています。また会員の皆様のご協力で20題の一般演題を登録いただき、密度の高いプログラムになったと自負しています。本学会を通して、嫌気性菌感染症をもう一度見つめ直し、今後の嫌気性菌感染症研究のきっかけになる場となれば幸いです。今回の研究会が少しでも会員の皆様方のお役に立つことを期待し、多くの会員の先生方のご参加と活発なご討論をお願いいたします。

 新型コロナウイルスの感染状況によってはWebでの開催となるかもしれませんが、できる限り大分での現地開催を行いたいと考えています。

 最後になりますが、本学会の開催にあたりご指導およびご協力いただきました諸先生、関係各位にお礼申し上げます。


 

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